第1章

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『お疲れ様でした』 広い部屋に入って来た男が椅子に座っている男に声を掛けた。 『お疲れ、ショーキチ』 男は立ち上ってショーキチと呼ばれた男の肩をポンと叩く。その顔は自信に溢れていて、一片の曇りもない。ショーキチは少しだけ視線を落として頭を下げた。 ショーキチは去っていく男の後姿をじっと見つめる。 彼こそがEXILEのボーカリスト、タカヒロ。 ショーキチはただその後姿を見つめていた。 「本当なら俺があの場所にいたかもしれないのに…ってか?」 いきなり聞こえた声にショーキチは振り返る。そこには知っている顔があった。 『愁平?』 古い付き合いの愁平…だが、その姿はショーキチの知っている愁平とは違っていた。 『お前がなんでここにいるんだよ?ここは…』 「俺はSWAY」 『は?何言ってんだ?』 ショーキチが訝しげな顔をしているのにSWAYは気にせずに続ける。 「あいつのせいでお前が歌うことはない。お前はこの中じゃパフォーマーでしかない」 SWAYの言葉にショーキチは唇を噛みしめた。 確かにその通り。俺は、あの人に負けた。 でも、あの人の歌は俺よりも…
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