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「本当は認めてなんかいないんだろ?」
ショーキチは拳を握りしめた。そんなことはない。認めているさ。
彼の歌の方が俺の歌よりも人を惹きつけるものだったんだ。
それは分かっていても、やりきれなさは残っている。EXILEのパフォーマーにはなれた。だがSWAYの言う通り、本当は彼のように歌っていたかった。
でも少しずつだが自分にも歌う機会が増えてきた。そのことに自分は感謝しているし、満足もしている。
だから…
「それが本当にお前の望んだことか?」
自分に言い聞かせようとしているショーキチの心を見透かすようにSWAYは言葉を続けた。
ショーキチは拳を握りしめた。望んだ通りかと言われれば違うかもしれない。
『でも俺は…』
ショーキチが顔を上げた途端に眩い光が彼を襲う。
目がくらんだショーキチが咄嗟に目を閉じると、彼の意識はまた遠のいていった。
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