8人が本棚に入れています
本棚に追加
『お疲れー』
『お疲れっした―』
気が付いたらショーキチは円陣の中にいた。全員汗だくで肩を組み合っているのは、自分の大切な仲間たち。苦楽を共にしてきた四人の仲間。
やっと、この五人でデビューすることができた。それは短いようで長い道のりだった。ライブで歌うことはあっても、デビューとなるとまた話は別だ。
デビューしたことでやっと認められたような、苦労が報われたような気がした。
そして、それを共に喜べる大切な仲間がいることがショーキチにはなにより嬉しかった。
『ショーキチさ、歌い方変えた?』
『あ、それ俺も気になった。なんか気合入れ過ぎな感じした』
ショーキチは言われて自分の歌い方を思い返す。確かにCD とは違う歌い方だったかもしれない。でもそんなに気になるほどだったのかなと、頭を掻いた。
『ねっさんがシンプルなだけに、ショーキチの歌い方が目立つんだよな』
『そうかな』
次は気を付けよう…そう思った時だった。
「お前が書いた曲なのに、なんで指図されないといけないんだ?」
声のした方に目を向けると、壁にもたれ腕を組んだSWAYが立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!