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神聖帝国アルミナ。
それが僕の生まれ育った国であり、僕が一身を賭して守っていく国だ。
この国――神聖帝国アルミナは、世界でも一、二を争う大国だ。
大陸一つが領土という、他国とは比べ物にならない広さ。南北でも東西でも、端から端まで行こうとすればそれだけで立派な小旅行と言えよう。
これが第一。
第二に、神聖帝国アルミナは技術的にも経済的にも進んだ国であるということ。
鉄道を始め電気、ガス、水道といった基本のライフラインは整っているのが当たり前。田舎町や貧富の差はあれど、技術革新や先進研究が盛んに行われており、人口も億単位。
以上から、僕の仕えるこの国は主観的に見ても客観的に見ても世界の中心と言える、強大な国なのである。
さて。
僕は先ほど、この国を「僕が一身を賭して守っていく国」だと言った。「僕が仕える国」とも。
国名からわかると思うが、神聖帝国アルミナは皇帝を頂点にした国だ。政治に関して助言を行う元老院があるが、最終的な決断は皇帝に一任されている。それが僕の国。
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