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裕がアメリカへ行くと決断して1ヶ月が経っていた。
社内の様子は、裕をアメリカへ送り出す
雰囲気へと自然に変わっていって…
「課長!いよいよ明日ですね」
「あぁ」
「がんばってください!」
「ありがと」
「本当に寂しいですぅ~」
「私もついて行っちゃおっかなぁ」
あぁ~!!
ちょ、ちょっと…
ペタペタ触りすぎ…
キャーキャーこんときとばかりに、群がってくる女子社員たちに、ムッとして頬が膨らんだ私を、
横から明石さんが、からかいの目で見てくる。
「課長、1年と言わず、ずっと行っててもいいですよ」
「小林!!てめぇっ」
勤務時間が終わって、社員がわいわい裕に注目を集める中
私はデスクに座って黙ってみんなの話を聞いていた。
裕がこの社内にいるのも、今日でしばらく見納め。
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