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森田さん家のマンションに着いたのはいいが、どれだけ呼んでも全く起きない。
家に連絡を入れようとも考えたが、ご両親に関係性を誤解されるのも面倒で、最終的に送り届ける犬小屋も見つからずに、寝泊まりしてるホテルに帰るほかなかった。
「森田さん、起きて」
「……ん………」
ホテルに着いた頃には少し酔いがさめたのか、目を擦りながらなんとか起きてくれた。
力の入らない脚は今すぐにでも転けそうで、仕方なく片腕を首に回して支えながら部屋に戻ることにしたけれど、
ホテルのフロントスタッフに怪訝そうな顔をされたのは言うまでもない。
…なんで俺がこんな爆弾を運ばなきゃならないんだ。
「ぐえっ」
ベッドに放り投げると、鶏みたいな声を発した。直後、ものの数秒で寝息が聞こえてくる。
生命力の強さ、半端ない。
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