3726人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ゔぉー…」
急に唸りながら、モソモソと手を伸ばして何かを探してる。
寒かったのか布団の端を掴んで、自らクルクルと巻かれにいく。
初めて目の当たりにする、芋虫人間の形成過程。
「……がぁぁ……」
観察されてることも知らず、布団の巻き具合が強かったのか、次は左右に体を動かして苦しそうにまた唸り出した。
布団を解いて普通にかけてあげると、すぐに眉間のシワは消えて、マヌケな寝顔で戻っていく。
感情と言動が直結してるのは知ってたけど、酔っててもそれは変わらないらしい。
「…アホなヤツ」
森田さんが起きたのは、風呂から上がってすぐのこと。
このまま朝まで寝るだろうと思ってたのに、急に地響きのような声を発しながら、それはそれは不細工なザマで顔面が歪んでいた。
…さすがに吐かれるのは困る。
何度目かの呼びかけでパッと目を開いた森田さんは、渡されたペットボトルの水を勢いよく空にした。
最初のコメントを投稿しよう!