痛い女の実態とは

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そして次は高校。 相手は一年の時に隣の席だった男の子。 人懐っこくて、いつも先生に注意されながらも可愛がられるような、やんちゃなタイプ。 それでもやっぱり人気者で、年上の彼女さんがいたと知ったのはすぐだった。 実らない恋だと分かっていても、明るくて接してくれる彼への想いは募るばかりで。 次々に彼氏ができてく周りの友達に置いてけぼりにされながらも、結局、卒業するまで友達だと思ってくれる彼に打ち明けることは出来なかった。 "今の私"に生まれ変わったきっかけは、最後の一回である大学時代。 中学と高校の反省を生かして、今度こそは素敵な恋愛をしようと心に決めていた。 入学して早々、一目惚れしたのは今まで出会ったことのない紳士な人。すらっとした長身で顔も雰囲気も、何もが全てがドストライクだった。 すぐに学科も調べて、お近づきになりたくて一緒のサークルにも入った。 でもそんな人に彼女がいないはずがなくて、すごくすごく綺麗な人ばかりだった。 諦めたくても、話をする度に嬉しさが優ってしまってしまうくらい多分、一番好きだった。 だからこそ、本気で頑張ろうと思ったのに。 『もう彼女できたのかよー』 『うん、先週にね』 嫌いな雨が、大嫌いになった。 好きな漫画を、もっと好きになった。 何より人を想うことに、億劫になった。
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