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「ちょっと自分が可愛くてモテるからって」
「今それ関係ないでしょ!」
くりんくりんのマツエクが瞬きをする度に、小さな風が吹いて来てるような錯覚をおこす。
多分、現実逃避に入ってる。
ただの僻みだし、話も逸らしきれてないし、とりあえず色々脳が諦めたのだろう。
「とにかくこれ見るの一週間禁止だからね!」
「えっ」
「えっ、じゃない!こんなの見る時間あったら彼氏作ることに専念してよ!」
耳にタコができるほど聞いたその言葉。
時間を割けば、彼氏は出来るのか?
否、それはモテる人限定です。
「どうせモテる人だけとか思ったんでしょう!?」
「いや、そんなことは。ただそんなに言うなら、攻略本とか書いて欲しいなー、なんて」
「はぁ?」
「なんにもないでーす」
私は姉としての威厳を母のお腹の中に残して来たのではないだろうか。
そして目の前の彼女がそれを受け継いでしまったが故に、私がこうも吠えられる羽目になっていると考えている。
物心がついた頃から抱いてるこの疑問は、もはや人生における疑問になりつつあった。
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