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「朝から笑かしてくれるわねー」
「いやいや、もう本当笑い事じゃないですって…」
左横で大笑いしているのは先輩である南 早希様 29歳。
メロンのような巨大な胸がセールスポイントだと豪語する、これまた女前な人だ。
「大丈夫ですか?」
「うん…」
赤くなったであろう額を軽くさすってきたは右隣の、中村 愛美ちゃん。
24歳の入社二年目、しっかり者の私の天使。
ウサギのようなつぶらな瞳と少々ふくよかな手で、今日も私を癒してくれる。
上から鞭を打たれ、左から笑われ、右から慰めをもらう毎日。
なかなか充実はしている、と思う。
ただ昨夜、散々っぱら華乃に説教をくらったばかりの私は、嘆かずにはいられない。
しかしここでため息をついた日には、また女王様が再臨するのは目に見えている。
頑張れ、私。
めげるな、私。
お昼には"あれ"が読めるんだから。
自分を奮い立たせて、口をかたく結いながら指摘された箇所を直すべくパソコンを開いた。
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