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『なんでそんなに私に突っかかってくるのよ?!』
愛っ、もう分かってあげてよっ。
鉄也はずっと前から…
『なんで分かんねーんだよっ!』
『だから何をよ?!』
鉄也の押し付ける、獣のようなキス。
二ページに繋がって描かれた、正に純愛シーン。
愛の見開いた瞳から、驚きがひしひしと伝わってくる。
途端に身体の芯から熱いものがグッと込み上がってきた。
『…好きだからに決まってんだろ』
真ん前には見惚れるほどの美顔様が座っておられるのは百も承知。
…しかし、だ。
あああぁああ!もう我慢の限界っ!
「キュン死にするぅーっ!!!!!」
「その流れで一回死ねや」
「っ…!」
いきなり持ち上げられた、神谷さんが使用している神々しい剣…に見えた、割り箸。
次の瞬間には、底を向けられたソレは槍のように容赦無く頭上に落ちてきた。
い、い、い…。
頭を抱えて痛さで声すら出ない私に、悪びれる素振りもない神谷さんはチキンカツを再度咀嚼し始める。
何度も経験しているけれど、この激痛に慣れる日は来なさそうだ。
でも、いいんだ。
『アイする、アイちゃん☆』読めたんだから。
愛と鉄也、キスできたんだから。
…頭、めちゃくちゃ痛いけどさ。
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