藤咲ゆうの場合 01

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「さっきは何勉強してたの?」 「古典。今日の授業で、ちょっとわかんないとこあったから」 二人っきりの帰り道。 ちょうど公園を横切っているところだ。 元気に遊んでいた子ども達も、散り散りになって帰っていく。 「よくやるよな、まったく。まぁ、勉強しないゆうなんて、想像つかないけど」 「別に勉強しかしてないなんてことないよ。達也こそ、葵ちゃんと何話してたの?」 私はただ、なんとなく聞いただけだった。 でも達也はふいっと顔を背けて、別に、と濁した。 何か隠してるんだろうな。 私には知られたくない、何か。  達也と葵ちゃん。 二人だけの秘密。
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