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「さっきは何勉強してたの?」
「古典。今日の授業で、ちょっとわかんないとこあったから」
二人っきりの帰り道。
ちょうど公園を横切っているところだ。
元気に遊んでいた子ども達も、散り散りになって帰っていく。
「よくやるよな、まったく。まぁ、勉強しないゆうなんて、想像つかないけど」
「別に勉強しかしてないなんてことないよ。達也こそ、葵ちゃんと何話してたの?」
私はただ、なんとなく聞いただけだった。
でも達也はふいっと顔を背けて、別に、と濁した。
何か隠してるんだろうな。
私には知られたくない、何か。
達也と葵ちゃん。
二人だけの秘密。
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