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──それは、ごく普通でありふれていた休日の日だった。
外も、快晴で雲一つないといっていくらい。お日様がサンサンと輝く。
しかし、俺。
姫川姫乃はというと…
その天気のいい日に、片手にエコバックを抱えて一人で、スーパーへと買い物に向かっている途中である。
なぜかって?
そりゃ簡単な話だ。昼間から、リビングでゴロゴロしているところに、楓さんがやってきて一言。
『姫乃ちゃ~ん。暇そうだねッ。だったら、お買いものお願い!』
と…渡されたのが、このエコパックとメモ。
メモの内容を見るからにして、今日の晩御飯はどうやらカレーのようだ。
確認を終えると、俺は通り道にある公園に目を向けたのだった。
休日ってこともあり、チラホラと人がいる。
まぁ、ここの公園は案外広いから、奥の方へいけばもっと人がいるのだろうな。
公園内には、家族や恋人、友人たちと…まぁ、様々だ。
ふっと、ある家族が目に飛び込んでくる。
小さな女の子を中心にして、両親と仲よく手を繋いで歩いている。
「……アタシにも、子供ができたらあんな風に休日を過ごすのかな」
と…未来の自分とその家族を重ね合わせては、想像する。
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『ママ~ママ!』
『な~に?』
『呼んだだけ~えへへ』
『もう~!可愛いんだからっ!』
──って!
何で、ママなんだよ!?
普通、パパだろうが!!
最近、女になってから時間が経っている所為か。感化されちまっているのかもな。
「ぁ、こんな所で油売っている場合じゃないんだった!買い物、かいもの」
この時は、知らなかった。まさか、この俺に…
“あんな出会い”が待っているなんて
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