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「待つんだ!ヘルプミー!」
後ろから唐突に声をかけられてしまった。
しかも、ヘルプミーってよ…。このエセ外人がっ。
「なんだよ…?」
俺は、気だるそうに。かつ、面倒くさそうな態度を惜しみなく出す。
「実はこの辺りはまったく詳しくなくてね?出来たら案内を頼みたいなーなんて、あと人探しもしてもらいたいなー。ていうかそっちメインかな」
「はぁ?人探ししてくれって…」
今日この場で、初めて会うやつにだ。人探しをしてくれって…。
「じ、じゃあ契約しよう!ギブアンドテイクの関係さ。私が探してる人を一緒に見つけてくれたら相応の報酬を払うよ」
「……はぁっ」
「スマホどころかキャッシュもカードも無いんだよねー?あはーっ」
「あっそ…」
何なんだコイツは…。さっきから、何やらすごく焦っているようにも見える。
「だからさ、なんでもするからお願い!こう見えて私、結構なんでもできるよ?役に立つよ?」
『何でもするって』…出たよ。
あまりの無自覚すぎる発言の数々に、俺はため息を漏らしながらも。
一応、コイツも女の子だしな…と思って。忠告をしてやることにした。
「役にね…あのさ?あんまり、知らん男に報酬をやるとかそういう事言わない方がいいぜ?コレ、警告な。お前、それなりに顔整ってるんだからよ。勘違いする男とかに変な要求されちまうぞ?」
結構、ズカズカと。それも初対面の女の子に対してだ。
たぶん、引かれたりするんだろうけど。コイツのためだと思い。ビシっと言ってやった。
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