第1章 異世界からやってきました

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「え、えっと…」 「………あれっ?ママじゃ、ない?」 「そ、その…ママじゃなくって、ごめんねっ」 そういうと女の子は、どことなくガッカリした表情をする。様子からして、おそらく迷子だろう。 同じ金髪の俺を見て、母親と勘違いした…ってとこか? 「あらやだ。聞いた奥さん。あの子が、母親みたいよ」 「ほんと。若そうなのに、買い物もちゃんとして偉いのね」 「え?へ?」 どうやら、勘違いしているのは。この子だけではなく…マダム達も勘違いしている。 俺が…この子の母親だと! 「え、えっと…。あたしは違っ──」 「大変だろうけど。しっかり頑張るのよ!」 なぜか、応援される俺。 しかも、スーパーへ出入りするお客たちがチラチラとこちらを見てくる。 正直、目立ち過ぎだ。 「えっと…し、失礼します!!」 俺は、とっさにその女の子の手を掴んで、その場から立ち去るのだった。
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