164人が本棚に入れています
本棚に追加
「え、えっと…」
「………あれっ?ママじゃ、ない?」
「そ、その…ママじゃなくって、ごめんねっ」
そういうと女の子は、どことなくガッカリした表情をする。様子からして、おそらく迷子だろう。
同じ金髪の俺を見て、母親と勘違いした…ってとこか?
「あらやだ。聞いた奥さん。あの子が、母親みたいよ」
「ほんと。若そうなのに、買い物もちゃんとして偉いのね」
「え?へ?」
どうやら、勘違いしているのは。この子だけではなく…マダム達も勘違いしている。
俺が…この子の母親だと!
「え、えっと…。あたしは違っ──」
「大変だろうけど。しっかり頑張るのよ!」
なぜか、応援される俺。
しかも、スーパーへ出入りするお客たちがチラチラとこちらを見てくる。
正直、目立ち過ぎだ。
「えっと…し、失礼します!!」
俺は、とっさにその女の子の手を掴んで、その場から立ち去るのだった。
最初のコメントを投稿しよう!