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「西村さんって、彼女いるんですかぁ?」
目の前に座った、某キー局の新人アナウンサーの女の子が上目遣いに訊ねてくる。
肩の上でふわふわ揺れる髪の毛とアーモンド形のいたずらっぽい瞳。少しめくれた唇がいかにも男受けしそうだった。
「おい、おい。ありさちゃん、そりゃないよ。せっかくありさちゃんとお近づきになりたくて、この飲み会セッティングしたのにさぁ」
横で一生懸命盛り上げ役をかっていた室岡先輩が情けない声をだすと、ありさという女の子が、ぺろりと舌を出しおどけて見せた。
会社の先輩たちに無理やり連れて来られた今日の合コン相手は、男なら誰しも憧れる女子アナウンサー。
なぜ、憧れの女子アナと繋がりが持てるのか。それは、俺が大手広告代理店の社員だからに他ならない。
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