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「私、そろそろ、帰るわね」
咳払いをした女の人は立ち上がると、「あとは皆さんで楽しんで」と、彼女の隣にいた別の女の子に一万円札を握らせた。
「そ、そんなぁ。まだいいじゃないですかぁ」
「そうですよ。千島さん、帰るなんて言わないでくださいよ。ねぇ?」
ありさと、一万札を握らされた女の子が、びくびくしながら顔を見合わせる。
「そうですよ、まだまだ夜は長いんですから。なぁ?」
「あ、あぁ…」
男性陣もすかさずフォローを入れた。
けれど、その人は、
「あとはお若いみなさんで、どうぞ」
にっこりと笑うと、颯爽と帰って行った。
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