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冷蔵庫を開けて、私の部屋だということに気づいた蒼生さんは、一旦、冷蔵庫を閉めた。
「…ごめん…。
ここ…柚希ちゃんの部屋だった…。」
蒼生さんは、恥ずかしそうに言って、顔を赤くした。
私は、そんな蒼生さんを、“ かわいい!”って思って、クスッと笑った。
「大丈夫です…。
あの…何が食べたいですか?」
「…柚希ちゃん…。
あっ…違う…あの…麻婆豆腐とか青椒肉絲って…作れる?」
蒼生さんは、間違えて、私の名前を言って、さっきより、顔を赤くしながら、言った。
「えっと…材料があれば…大丈夫ですよ。」
私は、そう言いながら、冷蔵庫を開けて、麻婆豆腐の材料と青椒肉絲の材料を探した。
豆腐にミンチ、豆板醤、甜麺醤…それから、ピーマンと小間切れ肉…片栗粉…。
私は、一通り、材料を台所に出して、炊飯機の中を見て、2人分くらいのご飯があるのを確認すると、保温ボタンを押して、料理を開始した。
そんな私を、蒼生さんは、じっと見つめていた。
「蒼生さん?大丈夫ですか?」
「…ごめん…大丈夫…。
柚希ちゃん…あの…怒ってない?」
蒼生さんは、戸惑った感じで聞いてきた。
「…初めてで…ビックリしましたけど…怒ってないですよ…。」
私は、そう言って、ニコっと笑った。
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