9人が本棚に入れています
本棚に追加
朝。8時11分、日曜日。
「ふわあーあ、眠い」
青山・匠は、あくびをし、階段を降りて一階に向かった。
「あ、おはよう。お兄ちゃん!」
匠の妹、青山・葵がピンク色のウェーブ髪を揺らし、魚を咥えながら挨拶した。
匠は小さくため息をついた。
「葵。毎朝、生の魚くわえて、挨拶するのやめろ。
しかも、それ魔界の魚じゃねーか」
「お兄ちゃん。私は、これを食べないと魔力が暴走する可能性があるのよ」
匠は「ま、そうだけど」と言った後、仕方ないか と思った。
葵は半分が人間でもう半分が悪魔の半魔だった。
たまに、魔力が弱くなったり、強くなったり暴走したりする、それを防ぐためには、毎日、魔界の魚を食べるしか方法がなかった。
匠と匠の弟、海斗、葵には母親がいない。いや死んでしまった。
匠と海斗の母親は人間で、匠が誕生日の日、交通事故で車にはねられ死亡。
葵の母親、悪魔は魔界で殺された。
父親は仕事が忙しくて、家に帰って来ることがほとんどない。
いまは、父親はいないものとして、兄弟3人で助けあって生活している。
しばらくすると、海斗が降りてきた。
最初のコメントを投稿しよう!