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「参ったな……」
冥界での再封印の儀が失敗に終わり、天野の元へ戻った透流は頭を掻きながら思わずそう漏らした。
片田舎の山里の奥。
辺鄙な場所に建てられた天野家に代々伝わる屋敷。
屋敷のほぼ中央に位置する客間に天野、透流、芙亜の三人は居た。
透流が思わずネガティブなことを口にしてしまったのは、その前に天野が語った内容があまりにも面倒だったからだ。
封印の儀の失敗を告げられた天野が透流と芙亜に向けて述べたこと。
それは、ある意味では至極まっとうであり、ある意味では透流の理解を超越していた。
「なるほど……。
七つ目の鍵か……。
その可能性は無きにしも非ず……とは思っておった。
そもそも、現在施されている封印は儂らの世界から為されたものではないらしい。
知っておろう?
お主らの特別な力の礎が何に由来するか?」
言われるまでもない。透流、芙亜達のように選ばれたもののみが扱える力。
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