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「はい、ゴーダさん。
ルートが怠けないようにしっかり見張っておきますわ。
買い食いなんかもしすぎないように。
それでは、マリシアも元気でね」
アリシアはそそくさと馬車に乗り込んだ。こういうところもしっかりしている。
あえての行動。あまり別れを惜しむと寂しさを感じてしまうというのもあるのだろうけど、おそらくは、クラサスティス伯が俺に気兼ねなく話をできる環境を作り上げたのだろう。
「ルートくん。君には感謝しているよ。
これからも、よろしく頼む」
頭を下げるクラサスティス伯に俺は、
「いえ、そんな。こっちこそお世話になりっぱなしで」
「君が居たからこそ、アリシアはここまで大きくなった。
親の欲目だとも思うがね。
ああ、ポーラにも感謝はしているよ。もちろん。
二人を頼む」
クラサスティス伯は、ポーラにも一礼する。
「お任せください!」
ポーラが答えた。
ポーラは俺達の引率として、一緒に旅をしてくれることになっている。
精神的な支柱として。親代わりとして。一応の保護者だ。
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