疑いと嫉妬

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室長と桐谷さんが至近距離で見つめ合い… …笑い合う。 歳の差、身長差、外見の差。 どれをとっても 目に映る二人は… お似合いだった。 …何…考えてるんだろう。 『火のないところに煙は立たない』 火は… 勝手につけられたもの。 わかっているのに… 室長と彼女は同じ部署。 いつも… そんな風に微笑み合っているの? 私の中に 冷たいものが刺すように落ちる。 私は彼女たちから視線を逸らし、テーブルの上で頬杖をついた。 沸々と湧き上がる感情を鎮めるために目を閉じて深呼吸をした。 目を閉じても瞼の裏に焼き付いている二人の笑顔が 私の呼吸を荒くする。 「ごめん、待たせちゃって…ジャジャーン、室長登場」 彼女の呑気な言葉に目を開けた。
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