疑いと嫉妬

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二人だけの焼肉パーティーは思いのほか盛り上がっていた。 二人とも、それほど強くないアルコールも注文した。 焼肉の煙も匂いも気にせずに、おしゃべりに夢中の私たちは時折お肉を焦がしていた。 もちろん、少々の焦げは気にならなくて、少々でない焦げもそれほど気にしていなかった。 待ち合わせも、お店への到着時間も遅れていたので、どこか開き直ってゆったりと過ごしていた。 網の上では「美容にいい」なんて言いながらレバーを焼いていた時だった。 私の携帯が振動する。 秘書という職業柄、プライベートな時間帯であっても携帯には敏感なのだ。 慌てて確認すると、画面の表示は… 「あ、室長だ」 焼肉の最中にも何度も名前が挙がった室長だった。
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