開いていく距離

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「おかえり。今日早くない?」 「うん。本社行って。直帰していいって言われたから。」 莉乃はなんだかぼんやりしているような疲れた様子に見えた。 「どこかに食べに行く?家で食べる?」 莉乃と一緒に食事をするのも久しぶりだった。 「疲れたから出かけたくない。私は適当に食べるからいいよ。」 莉乃は気乗りしない様子だったので柾生はありあわせで適当につまめる物を用意することにした。 金曜日で莉乃は明日は休みのはずだし柾生自身は明日は遅番だから久しぶりに二人でゆっくり食事するのも悪くない。 ここ最近ずっと莉乃との間にちょっと距離が出来ているように感じていたからそれを埋めたいと柾生は思っていた。
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