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「じゃぁ、いるか、いないかだけ教えてくださ~い」
結構、ねばり強く聞いてくる青木主任に、裕は、ん~って腕を組みながら、大きく肩を動かしてため息を吐いた。
「彼女ね・・・」
ぼそっと呟いた裕へ視線を向けてる女の人たちは、
裕からの答えを待っているんだろうか。
いや、
きっと待っていたのは私。
「いるよ…彼女」
「「「「「えぇぇぇ?」」」」」
裕…?
明確にした答えに何人かの女子社員の声が重なった。
「うそ~」
「超ショックなんだけどぉ」
裕のその一言で周辺は、こそこそ騒ぎ出して、
えっ?…そんな遠い席に座ってる子まで聞いてたの?私より耳ダンボじゃん。
って思ってしまうくらい、その輪はどんどん広がっていて…。
だけど、あれだけバレるなって、しつこく言ってた裕なのに…。
彼女いるって言ってくれたこと、ちょっと嬉しい。
「彼女社内の人ですか?」
少しテンションが下がってるような青木主任の問いかけに
「そうだよ…あっ…」
思わず言ってしまった、とういうような表情で、チラッと私を見た裕。
そんな目で助けを求められたって、私は何も言えないし。
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