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「裕…」
私が寝ているベッドの上に腰をかけた裕は、ペシっとおでこにデコピンをくらわしてきた。
「何が、“まだ帰ってない” だ」
「だって…」
話するの…怖いんだもん。
さっきどうして裕がため息をついたのかも聞きたくないし、
私自身も、気持ちの整理が何もできてない。
「お前さ~なんであんなことすんの?俺だって傷つくんだけど」
「えっ?!」
「婚姻届…」
あっ…。
そうだ。
「ごめんね…裕…」
たとえどんな気持ちでも、婚姻届破くなんて本当にどうかしてた私。
「でも、お前の方が傷ついたよな…」
「………」
「だけど違うよ」
「…な、何が?」
「ため息ついたこと。俺も、もらおうと思ってたから」
「えっ!?」
気まずそうに、チラチラ何度か私の方を見ながら、少しだけ顔を赤く染めてる裕。
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