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朝、と言ってもまだ日は出ておらず他の住人が寝ているであろう時間。
一人何かから逃げるように走り続ける人影がある。
彼の名前はアルバンス・リデイオ、アルバンス家三男であり父に似た赤い髪を肩まで伸ばしている【冒険したい年頃】の昨日19になった青年である。
彼が何から逃げているか?それは昨日の夜の事、彼の誕生日を祝ってパーティーをしていた時部屋に呼ばれ父にこう告げられた
『すまん、強く生きろ』
訳が分からず取り敢えず頷いた自分を今は呪い殺してやりたい。
頷いた瞬間部屋の扉が吹き飛んだ。
文字通り吹き飛んだ、そこに扉を吹き飛ばした犯人が立っていた、自分と同じ年頃のやや幼さが残った顔をした女性だった。
『そなたが妾の婿殿か!!』
説明によると彼女はアルバンス家と同格(厳密に言えばアルバンス家より上)の家のご令嬢らしく自分に一目惚れしリデイオに婚約を申し込んできたらしい。
それだけならまだいい、むしろ美人な彼女なら喜ばしい事だ。しかし問題は
『さぁ婿殿!早く夫婦の契りを!!!』
彼女が息を荒くし、鼻血を出しながら肉食獣のような目をこちらに向けていることだ。
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