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走るヤルモ、そのあとを追うネコミュー、只、広い草原を南に走る。
十分後…
ヤルモ
「疲れた…歩こう…」
ヤルモがとぼとぼと歩き出した、するとネコミューが頭の上にのる。
ヤルモ
「ネコミューはふわふわ浮いてて疲れないだろ?まぁー乗られても全然重くないけどね。」
ネコミュー
「ミュー。」
ネコミューはびろーんと伸びヤルモを陽射しから守った。
ヤルモ
「ありがとうネコミュー。」
夕日が草原の草花、岩を赤に染める。
ヤルモ
「よし、今日はここで野宿だ…ネコミュー結界石を出して。」
「ミュー。」ネコミューは口から石を複数出す、小さな手で受けながら地面に落とす。
ヤルモは大きな岩影に結界石でサークルを作った。
ヤルモ
「次はテント出して。」
ネコミュー
「忙しいミュー。」
小さな手を広げ口を大きく開ける、口から長いテントの材料がゆっくりと出る、肉球で押さえながら慎重に。
ヤルモはそれを受け取りながら、地面に下ろす。
ヤルモ
「ネコミューって本当に便利だな。」
焚き火をして、野生動物を避け、結界石で魔物を避ける。
結界石とは、サークルを作ることにより、その内部の気配や匂いを消して、靄をかけるアイテム…意外に高く冒険者でも使う事は少ない…城や街に使われている事が多い。
ヤルモがテントの中で横になった、そのお腹にネコミューがのる、ぷにぷにのもこもこで、つい触ってしまう。
ネコミューは一時的に物体をすり抜けることが出来る、テントをすり抜け隣の大岩に乗り空を見上げる。
空には大きな月が二つあった、一つは常に明るく太陽の様にこの大地を回る。
もう一つは、常に地平線にあり、赤く光る。
この赤い月はたまに姿を消す、その日は魔法生物の力が半減する、ネコミューも例外ではなく、無限袋が使えなくなる。
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