第1章

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走るヤルモ、そのあとを追うネコミュー、只、広い草原を南に走る。 十分後… ヤルモ 「疲れた…歩こう…」 ヤルモがとぼとぼと歩き出した、するとネコミューが頭の上にのる。 ヤルモ 「ネコミューはふわふわ浮いてて疲れないだろ?まぁー乗られても全然重くないけどね。」 ネコミュー 「ミュー。」 ネコミューはびろーんと伸びヤルモを陽射しから守った。 ヤルモ 「ありがとうネコミュー。」 夕日が草原の草花、岩を赤に染める。 ヤルモ 「よし、今日はここで野宿だ…ネコミュー結界石を出して。」 「ミュー。」ネコミューは口から石を複数出す、小さな手で受けながら地面に落とす。 ヤルモは大きな岩影に結界石でサークルを作った。 ヤルモ 「次はテント出して。」 ネコミュー 「忙しいミュー。」 小さな手を広げ口を大きく開ける、口から長いテントの材料がゆっくりと出る、肉球で押さえながら慎重に。 ヤルモはそれを受け取りながら、地面に下ろす。 ヤルモ 「ネコミューって本当に便利だな。」 焚き火をして、野生動物を避け、結界石で魔物を避ける。 結界石とは、サークルを作ることにより、その内部の気配や匂いを消して、靄をかけるアイテム…意外に高く冒険者でも使う事は少ない…城や街に使われている事が多い。 ヤルモがテントの中で横になった、そのお腹にネコミューがのる、ぷにぷにのもこもこで、つい触ってしまう。 ネコミューは一時的に物体をすり抜けることが出来る、テントをすり抜け隣の大岩に乗り空を見上げる。 空には大きな月が二つあった、一つは常に明るく太陽の様にこの大地を回る。 もう一つは、常に地平線にあり、赤く光る。 この赤い月はたまに姿を消す、その日は魔法生物の力が半減する、ネコミューも例外ではなく、無限袋が使えなくなる。
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