第1章

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朝、出発の時、道具屋の前でヤルモを見送るじいちゃん。 じいちゃん 「ヤルモ、先ずは南に進み、漁師町サカナトレールに向かうんじゃー。」 じいちゃんがそう叫びながら、何やらネコミューに詰め込んでいた。 ネコミュー 「うぐぐぐ……」 じいちゃん 「はいはい、ねこちゃん…薬草あと百個入れましょねー。」 ヤルモ 「じいちゃん、ネコミューが苦しそうだよ、もういいよ、ていうか薬草百個いらないと思うなー。」 ネコミュー 「うぐぐぐ……」 じいちゃん 「ヤルモ!!無限袋はその名の通り、無限なのじゃーほらねこちゃん、次は毒消し草百個じゃー。」 ヤルモ 「じいちゃん、もういくからー。」 ヤルモはネコミューを抱え逃げるように、街を出た。 じいちゃん 「ヤルモー、頑張って来るんやでー。」 ヤルモ 「分かってるよーじいちゃーん。」 ネコミュー 「ミュー。」 草原を南に向かう、暫く進むと、少しの潮風が感じられた…… ヤルモ 「サカナトレールまで、三日かかる、ネコミュー長旅になるけど、ずっとついててくれるかな?」 ネコミュー 「分かったミュー、ヤルモーミュー、お腹いっぱいミュー。」 心なしか、ネコミューが真ん丸く大きくなっている気がした。 微かな、潮風にのってスカイドルフィンたちがヤルモの頭上を通り過ぎて行った。 スカイドルフィンとは、空飛ぶイルカで海岸線をゆっくり迂回する、雨上がりの虹が出ている空によく現れる。 ヤルモ 「うわー、スカイドルフィンだぁー。」 ネコミュー 「ミュー?」 潮の香りはするが、海から離れたこの場所までスカイドルフィンが来たのには理由があった。 よく見ると、吸盤の後が沢山ついていた…… ヤルモ 「…なんだろう?」 ネコミュー 「ミュー。」 ネコミューは空中をゴロゴロと転がった。 ヤルモ 「ネコミュー、急ぐよ。」 ヤルモは走ってその場所から離れた。
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