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 先輩と一緒にいると、妙にくすぐったい気分になったのを憶えている。  優越感もあったのかもしれない。  人気者の滝川先輩と、地味な僕。  佐々木部長に意外だと思われるくらい、僕たちは本当にちぐはぐで。  滝川先輩がどう思っていたのか、今ではもう訊くことも出来ないけれど、僕は毎日が新鮮で楽しかった。  退屈だと思われないような会話をするには、どうすればいいか。そればかり考えていたと思う。  部活の時間になるのが待ち遠しくて、時計を何度も確認したり……、今とは全然違った。  今では部活に行くのがしんどい。  滝川先輩と顔を合わせるのが、つらい。
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