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何よりも息子が……無いのだ。
「何だよこれ!
何かの呪い………………か………っ!!」
呪い。
ふと、転生した際の記憶が蘇った。
『その代わり呪いを受けてもらうからな』
そうだった………いずれわかるだろうと言われていた呪い。
「(何処の呪仙郷だって話だよ!」
兎に角俺は男達に見られないように向こう岸にたどり着こうと考え、潜水して泳ぎ始めた。
「ぷはぁっ!」
川幅は意外と狭く、
俺は向こう岸にたどり着き、一気に上がって全力で駆け出した。
今更だが俺の変装一色は見事に川に流されており、水に濡れているものの
走りやすくなっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
全力で走ってきた俺は
何とか家にたどり着くことができ…
「たら良かったのになぁ……」
俺は川から上がった瞬間、数人の男に取り押さえられた。
「うっわ!超かわいい!」
「激マブ!」
「俺の好みドストライク!」
口々に言う男達は俺を紐で縛り上げ、身動きが取れないようにした。
「さーて、さんざんやってくれたお返しをしてやらなきゃなぁ?」
男の一人が俺にじりじりと近づいてくる。
て言うか顔がゲスイ。
「……どうする…どうする!」
俺は頭を振る回転させてこの状況を打破することを考える。
「楽しもうぜ?お嬢ちゃん?」
男の一人が俺の胸に手を伸ばして…
「ぐはぁ?!」
前のめりに思いっきり地面を転がった。
「チャオ☆」
…………誰こいつ?
「て、テメェ!
誰だコラァ!」
金髪の…まぁイケメンさんがポーズをとってキメていた。
「そこの可愛い子猫ちゃん?
少し待っていてくれるかな?」
……絶賛吐き気を催しております。
私、片桐 海斗がお送りする効果音のみの劇場。
ドカッ!
バキバキッ!
ドスンッ!
バシャァン!
バシィ!
「…大丈夫だったかな?」
こいつ……中々強えな。
「立てるかい?」
金髪は俺に巻き付いた紐をほどいて立たせてくれる。
(俺が男でなく、尚且つ一般の女ならすぐさま惚れているんだろうけど…)
「大丈夫です。
助けてくれてありがとうございました」
俺は頭を下げ、兎に角顔を見せないようにしてお礼を言った。
「や、気にしなくていいよ。
君のような美しい女性に手を上げる輩が許せなかっただけだからね」
「あ、そうですか。
ではおr…私はこれで」
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