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やはりと言うかなんと言うか…最近では記憶が曖昧だが、前世で読んだラノベでもこういった描写がある。
実際にあるのか?と思ってはいたが……実際にやられると腹が立つな。
「あー、再来週からオリエンテーリングがあるのは知ってるな?
一泊二日の合宿みたいな感じだから準備しとけよー」
おい、聞いてないぞ。
「そうそう、片桐は相川の班に入れるように」
「えーーー……」
長い批判だことで…
「えーじゃない。
ほら、次の授業の準備しろよー」
そう言って出ていく担任教師。
「…チッ」
教師の居なくなった教室は明らかに暗く、重い空気が漂っている。
そしてすぐ、一人の生徒が勢いよく立ち上がった。
「おいテメェ!
さっきはよくもやってくれたなぁ!」
さっき足を掛けようとしてきた葛西と呼ばれたヤツだった。
「聞いてんのかオラァ!」
ヅカヅカと俺のそばまで歩みより、胸ぐらをつかんで立ち上がらせる。
俺は迷いなくその手を掴み、先日不良に行った事をやってやる。
「不用意に相手の胸ぐらを掴まない方がいい。
空手有段者なら確実にこうなる」
俺は葛西を倒した状態のまま顔を近づけて囁いてやる。
「お、お前……空手やってんのかよ…」「昔の話だね」
俺は手を離して席に座り直す。
「おーい、お前ら席につけー」
教師が現れ、静まり返った教室に生徒が動く音が乱雑に聞こえ、滞りなく授業は進められた。
「はぁ……やっぱり学校なんて来るんじゃなかったのかねぇ?」
放課後、俺は昇降口を潜りながら一人ごちる。
校庭にはちらほらと下校をする生徒が見える。
俺は真っ直ぐに事務所に向かう。
社長にオリエンテーリングの話とその日程について話さなくてはならないからだ。
こう言うのは電話でも良いんだろうが、やっぱり直接言った方がいいと思うんだよな。
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