どうやら学校へ行けるそうです

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「モグモグ……ングッ…そういや他のやつらは?」 食べはじめて、もう鍋が空に差し掛かった所で葛西がふと疑問を投げ掛ける。 「…他の班に【成功した】カレーを肖りに行ったぞ」 俺はわざと成功したを強調して言った。 「は?成功?これ超旨いぞ?」 「これはアイツらの失敗作に手を加えて調理したやつだ」 「?どういうことだ?」 「詰まり……… と、言うわけだ」 「そう言うことか」 俺は先程の経緯を説明し、葛西はそれに納得を示す。 「……なぁ」 「ん」 「一昨日はすまんかった!」 「………もう良い。 ただ人を見かけで判断することは自分に多大な影響を与えることを覚えとけ。 それが解っただけでも十分得できてる」 食い終わってからチラチラと俺を見てくる葛西だったが、やっと謝罪を口にしてくれたのでやっと空気は柔らかくなった。 「人を見かけで………そうだな。 その通りだ」 「典型的なのがアイツらだな。 人を格好で判断しやがって… 好きでやってんじゃねぇってのに」 「好き?…片桐は普段なにしてんの?」 「海斗で良い。 お前の名前は?」 「あ、サンキュ。 俺は葛西 信悟。 信悟って呼んでくれ」 「分かった。 それで?普段だったな。 ……そうだな、良く歌ったりしてるかな?」 「お、歌か? あっ、歌といえば海斗、カイって知ってるか?今や人気のスーパーアイドル!」 「お、おう…知ってるが」 それは俺だからな… 「俺大ファンでさぁ! 確かにルックスとかも格好いいんだけど、やっぱり歌が良いんだよ! 何でも自分で作詞作曲してるって話だぜ?凄いよなぁ~」 殆どが暇潰しに書いたやつだけどな 「あー、一回で良いから会ってみたいよな…」 今現在進行形で会ってるぞ 「っと、そうだ! 来週の月曜日、カイのライブがあるんだよ! 良かったら一緒に行かないか?」 あったな、そう言えば。 「いや、月曜は仕事が入ってる」 「仕事?なんの仕事してるんだ?」 「……内緒だな」 「えぇー、教えろよぉ」 「……そうだな…お前が信用に値する男だと判断できたときに教えてやるよ」 「よし!信用だな?任しとけ!」 何を任すか知らんが、まぁ… 「期待してるぜ?信悟」 「!……おう!」
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