神様と対談、そしてこれから

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「さて、何から聴きたい?」 …眠りについたと思ったら、いつの間にか転生したときと同じような空間に神様を目の前に立っていた。 「……転生しても…幸せは約束されないんですね」 俺は俯きながら口を開いた。 「転生者の幸せは【人のそれなり】として約束されていた。 しかしそれにも例外はあり、その現象として今回のような事例だ」 「……何かミスでもしたんですか?」 「ある意味ではそうかもしれん」 「っ!!」 俺はその言葉を聞いて無意識のうちに神様の胸ぐらを掴んでいた。 「何なんだよ!二度目だぞ! 明らかに作為を感じられずにはいられない!どういうことだ!あぁ?!」 「………例外として、転生者に干渉できるのは転生者しかない。 俺が干渉できるのは一度のみ。 今回がその一度だ」 神様は振りほどこうともしないで静かに、そして冷静に言葉を放つ。 「……俺以外の転生者が…あの放火を行ったってことなのかよ?」 「そうなる…」 「つ!……誰だよ」 「転生者から転生者への干渉に俺が関与することが出来ない。 しかし、曲がりなりにも縁は繋がった」 「縁?」 「いずれ会うだろうその時まで、我慢しろとしか言えない…すまん」 …我慢……仮に未来まで我慢して、 俺はどうするってんだよ…。 「…!時間か…お前には加護を着ける。 俺にできる最大の非礼だ」 段々とその姿が消えていく神様は俺に手を向けて光を放つ。 その光が俺の体に溶け込んで体全体に広がる感覚を覚えた。 「……すまない!が……ばれ!」 カァァァァ……… 何がなんなのか解らないまま、辺り一面が激しく光輝き、俺は意識を暗転させた。 「っはっ!? はぁ、はぁ、………夢?」 俺は病室で飛び起き、汗で濡れた服の感触を感じた。 「……我慢……か……。 これからどうすりゃ良いんだよ…」 誰もいない病室で一人呟くのだった。
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