過去の虚構

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これ以上揺れないよう 薄い氷の膜で ゆっくりと覆い 固めていった。 「桜介にも言って 何かあったか聞いたけど、 あいつも あたしと同じで 思い当たる節が 全然ないって……」 「あるわけないよ」 「え?」 「それ、勘ちがいだから」 「勘ちがい……?」 私は不自然にならない程度の 小さな笑みを浮かべて 中断していた 食事を再開した。
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