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パシン!
そんな小気味のいい音がして、ヴァンは、クロワールに後ろから顔を殴られた。
「~~って! 痛いじゃないか!
何するんだ!」
新たに加わった鋭い痛みに、ヴァンは一気に目が覚めた。
そんな少年を見て、悪魔は冷たい声を出す。
「……だから。
死にたくなければ、意識を保て、といったはずだ」
確かに、そうなのだが。
それにしても、力任せに殴るのでなく、もっと他にやりようがないのか、とヴァンは、思う。
クロワールが、本当はどんな奴なのか……
やはり、判らず測りかねているヴァンを乗せて、馬は、休むことなく駆ける。
村で待つ、デュンヌの元へ。
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