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俺は「すみっこ」が好きだった。教室の席も写真撮影も歩く場所も。とにかく「すみ」や「はし」が良かった。
落ち着いた。
真ん中を歩く事なんて出来なくて、いつも下ばかり見ていた。かと言って苛められたりしなかった。まれに其れらしいものも有ったけれど、意外に冷静に自分自身を傍観できて嫌な奴だな、と思って居た。
其れまでは良かった。其れで。毎日、親に色々と指示されるけれど、何となくこなせては居たし、辛くは無かった。
そう、
何も辛くなかった。
何も苦しくなかった。
水の上の木の葉の様に
ただ
ぼんやりと浮かんで居た。
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