「晴れた終わり」

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彼女を初めて見つけたのはそんなある日。晴れていて桜も既に花から葉に変わっていた。やっぱり俺は道のはしっこを歩いていて、日差しは数日前より高く、強くなって居た。 彼女は「地元」にずっと在る様な古本屋のレジにポツンと立っていた。店内には茶色く色褪せた書物達が棚に列んでいた。其れどころか其処にも収まらず、書物達は所狭しと店内を支配し、紙独特の匂いを発していた。そんな中に彼女は居た。見た瞬間、「本の精霊」と例えられる程、白く華奢な女だった。 其れから何日も店に足を運んだ。話しかけられずもせず、やはり「はしっこ」から彼女を見る。 けれど其の日は行くことが出来なかった。ただ其れだけだったのに。そう、其れだけだったのに……。 辛かった。 苦しかった。 狂おしい程に。 そして知る。 「平凡」の終局、消せない感情。 ああ、俺は彼女に恋をした。
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