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兵藤の家に着いた時には既に食事が出来上がり、俺達の到着を待っていたおばさんが笑顔でリビングに招き入れてくれた。
「この間はうちの子がご迷惑をお掛けしたみたいでごめんなさいね。これ、お母様に渡して頂けるかしら?」
手渡しされた紙袋は百貨店のもので、高級菓子のようだった。
「どうもありがとうございます。」
俺が丁寧な対応をした事に兵藤は目を眇めて見たが、俺は知らんふりで勧められた席に着く。
「お代わりは沢山あるから遠慮せずに言ってね。」
おばさんはそう言うと、茶碗一杯によそったご飯を俺の前に置いた。
その後、兵藤の姉さんが帰って来て席に着いて俺に会話を振りながら和やかに食事をしている間ずっと兵藤は不貞腐れたような顔で黙々と食べて、サッサと食べ終わるとリビングの奥にあるテレビに視線を向けた。
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