第1章

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兵藤は嫌そうな顔をしたが、俺はすかさず口を挿んだ。 「俺が持って行きます。」 「ちょ、坂下。」 サッと立ち上がっておばさんの後を追い冷蔵庫に向かう俺に兵藤が続く。 「将爾は飲み物持ってけば?」 まだ食べ終わっていない姉さんがテレビのチャンネルを変えながら言うと、兵藤は不機嫌そうな顔でうるさいと反抗し、それでも仕方なさそうにおばさんに手渡された飲み物とコップを持って俺を待つこともなくサッサと二階に向かった。 「何だか機嫌が悪いようでごめんなさいね。」 おばさんは申し訳なさそうな顔で俺に言う。 「マジで、可愛くないでしょアイツ。一度シメてやってよ。」 と、姉さんが言うとおばさんは苦笑いして俺を見送った。
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