第1章

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何でそうなるのか全く理解出来ない。兵藤の頭の回路がどうなっているのか見てみたい。ここは兵藤は謝って俺が許して一件落着な場面のはずだ。 なのに、何故こいつは俺の神経を逆撫でするような事ばかり言うのだろう。 「今までの話ちゃんと聞いていたのかよ!」 声を荒げた俺から視線を外した兵藤はタルトを食べ終えるとウェットティッシュで手を拭きながらまたもやケーキに目を向ける。 「…坂下にはあんな事朝飯前で、気にも留めないんだろ?」 「だからそうじゃねーだろ!てめえは俺に迷惑をかけたっていう自覚はねーのか?」 頭にきた俺は兵藤の腕を掴んでケーキから意識をこちらに向かせると無理矢理顔を覗き込む。うちの弟妹よりも性質が悪い。
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