第1章

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「ごめん。」 でも、あっさりと謝った兵藤は上目遣いで俺を見ると痛いと恨みがましく言った。 何故か俺が兵藤に乱暴を働いたみたいだ。深い溜息を吐いて手を放す。 「あー、分かった。もう良い。じゃあ、用も済んだし帰るわ。」 「もう帰るのか?」 さっきまでサッサと帰れと態度に表わしていたのはおめーだろうよ、と思いながら口に出すのも面倒でアイスコーヒーを喉に流し込む。 「俺はおめーが謝らねーから嫌がらせで飯食いに来ただけだからな。だからもう良い。」 調子が狂い過ぎて、さっきの兵藤の言葉に反論するタイミングも掴めない。 「本当にもう良いのか?」
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