第1章

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この、心身ともに不完全燃焼な感じ。折角道場で流した汗も台無しだ。逆に欲求不満が募り苛々とする。 土曜日の朝早くから無理矢理起こされて、嫌々ながら兵藤を駅まで見送って、可愛げのない無愛想な兵藤に腹を立てながら閑散とした駅前の商店街を自転車で横切り一人帰宅する。 誰か呼び出して出掛けるか。でも、当日の朝に連絡して返事が来る確率は少ない。そう言えばツレは皆、昨夜のコンパに参加した。もしかすると未だラブホでイチャイチャしている可能性もある。 「くっそ。」 こんな事なら素直にコンパに参加しておくのだった。最悪、兵藤の行った飲み会に参加して楽しめば良かった。 俺は悪態を吐きながら朝の交通量の少ない歩道で自転車を力一杯漕いで家に帰った。
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