第1章

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一足遅れでやって来た購買には殆ど何も残っておらず、クリームパンとカレーパンを買ってサッサと踵を返す。何もないよりかはマシだけれど、購買のパンはパサパサしていて自販機でお茶でも買わないと食えそうにない。 ゴソゴソとズボンのポケットを漁って小銭を取り出そうとした時、丁度スマホが受信のバイブで揺れた。 知らないアドレスからのメールだったが、題名を見て興味を引かれメールを開く。 『題名:この間は弟がお世話になりました!  本文:将爾の姉です。突然メールしてごめんなさい!お風呂や朝食までご馳走になったようで申し訳ないです。また今度、お礼をしたいので家に遊びに来て下さい。母があなたの為に沢山夕飯を用意しますと言っています。追伸:将爾に訊いても埒が明かないので直接連絡してしまいました。』 「なんだ、アイツ!」 文章を二度読んで、追伸に舌打ちをした俺は今度こそ怒りを抑えることなく兵藤のいる新館の渡り廊下に向かって歩き出した。
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