第3章 あわよくばずっと続いて欲しい日常 -2-

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  以前、俺が部活に出ていた頃には結菜とも待ち合わせてよく三人で帰ったものだけど、今日は少し考えてから、結菜には先に帰る旨のメッセージを送った。 雨足はピークを過ぎたようだけど、未だ土砂降りは継続中だった。 夏至を過ぎたとはいえまだまだ日は長い筈なのに、昇降口へと続く渡り廊下は蛍光灯の明かりが無いと足元が怪しいほどの暗さだ。 激しくアスファルトに打ち付けられた雨粒が砕け散って、地面と壁の隙間から勢いよく足元へ跳ねて来る。 画面にまで吹き付けて来る小さな水滴を拭いながら、浅葱への返信を打ち込んで行く。  
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