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「ひとつわからないことがある」  タツオは夢のように青いソラマメ型のプールを眺(なが)めていた。昼の襲撃が幻(まぼろし)のようだ。 「なんだい?」  ジョージは手のなかのアクセスカードをていねいに観察している。そこには製造番号も、メーカー名も、国名もなかった。 「あの謎のヘリコプターのことだ。確かにぼくたちはなんとか偵察(ていさつ)用の小型ヘリを撃ち落すことができた」  ジョージがデッキチェアで身体(からだ)を起こした。胸の筋肉がゆっくりと引き締まる。 「ああ、そうだ。落したのはぼくとテルだけどね」  ハンドガンしかもっていなかったタツオとクニは一機も撃墜できなかった。サイコには散々あとで皮肉をいわれそうだ。
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