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「どうしたんだい? なんか喋りなよ」
どうせ喋らなくても伝わっているくせに。
「いやまあ 、そうなんだけどさ。そういえばぼく、兄さんの声聞いたことないなと思って」
僕の声帯で喋っているんだから、いくらでも聞いてるだろ。
「そういうことじゃあなくってさ…… 兄さんが自分の意思で、自分の声帯使ったことなんてあったかなーっていう話。ほら、いっつも喋ってるのぼくだし」
お喋りはきみの方が得意だろ? 適材適所ってやつさ。
「うーん、それはなんか違うような」
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