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さて、こんな静かな夜は一体何をしようか。
「そうだねぇ……そういえば、ぼくらが初めて会った場所ってどこだっけ?」
母さんの子宮の中に決まっているだろう?
「だからそうじゃなくて! なんで兄さんはそんな捻くれた答えしか返さないのさ!」
ごめんって。そんなに怒らないでよ。僕はちゃんと覚えてるんだから。
「本当かい?」
嘘なんかつかないよ 。そう、確かあの時もこんな綺麗な満月の夜だった。
「へえ、なんだかロマンチックな出だしだね。ぼくらは運命的な出会いを果たす のかな?」
運命的、と呼べるだろうね。……続けるよ。僕は寝付けなくって、夜中にこっそり部屋を抜け出した。暫く屋敷をうろついて、父さんの書斎に忍び込んでみたんだ。好奇心でね。
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