738人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ホントお前は…」
クスッと笑った琉惺は
ゆるゆると瞳を持ち上げる。
と、その時。
会議室のドアが
ノックされて私と琉惺は
思わず顔を見合わせた。
ゆっくりと開いたドア。
そしてその扉の向こうに
立っていた人物の姿を
見たと同時に、
琉惺は腕にグッと力を入れて
隠すように私を包み込む。
…誰…?
そう思いながら彼の胸の中から
視線を向けた先には…
『無』の瞳が
私たちを見つめていた──。
最初のコメントを投稿しよう!