思慮分別

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「ええ、聞きました」 「それがどういう意味か もちろん分かるよな?」 「分かりませんね」 俺も口角を上げながら とぼけた返事をすると 響矢さんの瞳は ますます鋭さを増す。 けれど、これが この世界の常識であり 父親に教わったハッタリ。 舐められたら終わりって事だ。 そんな俺から ひとつも目を逸らさない 響矢さんだけど、 この人だって元はと言えば 俺の父親の突然の死によって この世界に有無を言わさず 引きずり込まれた過去がある。
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